赤ちゃんの腸管の発達は生まれてからの栄養の影響も受けています。
まず、便秘や下痢といった良くないうんちが出るのは腸管の発達が未成熟であることが原因です。
一般的に母乳栄養の赤ちゃんは便が緩いことがわかっています。硬いうんちが出る場合は、便秘のサインなので水分補給を見直しましょう。
赤ちゃんの便秘のサインにはいろいろあります。便秘の症状別に赤ちゃんが出す見逃してはいけないサインをまとめてみました。
【便秘の症状:軽い】 いきむ仕草を見せる場合
お通じが3日間ない時は便秘を疑いましょう。まず軽い症状として、いきむ仕草を見せる場合が挙げられます。
赤ちゃんがいきむ場合は、形成された便が肛門から排泄されるまでの過程でトラブルがあると考えられます。どのようなパターンかと言うと、便が硬いまたは便の形成が遅いという事です。便が硬いのは結腸での水分吸収量が多いことに原因があります。
つまり、この段階であれば、水分が不足しているということが考えられるわけですね。
便が硬くなる原因は、腸管での水分の吸収量が増えることや汗をかくことによって水分喪失量が増加するためです。
寒い冬場でも赤ちゃんは知らず知らずのうちに汗をかくものです。
★おすすめしたい対策
- 綿棒浣腸で刺激してあげる
- オリゴ糖を併用して、うんちを出しやすくする
- 水分を多く与えるようにする
綿棒浣腸をする時は、ベビーオイルを塗った綿棒を肛門の周囲から円を描くように挿入します。挿入は深くても2㎝を超えないことに注意し、到達点で綿棒を回しながらお腹を優しく押し、いきむ仕草や排便を確認しましょう。
赤ちゃんの便秘で困った時の切り札!綿棒浣腸の基本と注意点とは?
オリゴ糖は、グルコースやフルクトースのような単糖が10個以内で結合したものです。オリゴ糖の中でもフラクトオリゴ糖は玉ねぎやアスパラガスに含まれており、便秘改善に効果があり、虫歯になりにくいのも特徴です。
フラクトオリゴ糖をふんだんに使った高純度のカイテキオリゴは、赤ちゃんに使うオリゴ糖としては安全でおすすめできます。
水分を与える際は、赤ちゃん用の水や麦茶、スポーツ飲料を常備しておきましょう。1歳までは150 ml程度、その後は飲んでいた量の7割を目安にします。
赤ちゃんの便秘で相談が必要となるのは、食欲がなく機嫌が悪い状態でお通じが3日ないときです。便秘の判断基準は3日以上排便がない。食欲がない、食べても吐く、寝苦しく眠りが浅い、機嫌が悪い、お腹の張りがあることです。
【便秘の症状:中度】 ぐずる回数が増える
お通じが5日間ないときは食事を見直しましょう。赤ちゃんが原因もなしにぐずる回数が増えてくる場合は、便秘の可能性が高くなります。
原因には腸管における便の滞留時間が長いことが挙げられます。大腸で形成された便は腸の蠕動運動によって水分を吸収されながら肛門へと移動していきます。
蠕動運動(ぜんどううんどう)とは、腸の輪状筋がミミズなどの虫のように動くことで、腸に入ってきた食べ物が肛門から排便するまで、内容物を移動させる役割をしています。
引用元:これで解決!便秘解消法!!
蠕動運動は自律神経によって支配されています。つまり副交感神経が優位である、緊張から解き放たれた状態が必要です。
そのためには赤ちゃんの腸を温めることが大切です。腸を温めることは、常在菌の安定した定着を図り便秘を回避します。温罨法という方法は、血流改善を加え便秘の緩和効果があります。
その方法は腰または腹部のを温めてあげることです。
医学的にも立証されているやり方で、排便総数の増加と下剤使用回数の減少を狙ったもので、温めることで体性内臓反射を介した腸管蠕動の誘導、副交感神経系の優位をもたらします。温罨法は医療の現場においても実践され効果を上げています。
簡単にできる温罨法を実践!
入浴での加温で代用する場合、夏季は38℃、冬季は42℃で2~3分湯温しましょう。
赤ちゃんはのぼせやすいので入浴時間は15分を超えないよう注意が必要です。
【便秘の症状:重度】 うんちが出ない上に発熱がある
重度の便秘は下痢から回復した後に見られます。赤ちゃんの便秘の期間が7日を超えた場合や発熱が出る等の場合は、赤ちゃんが病気に感染している可能性があります。
下痢をするのは細菌やウイルスのような微生物による腸管感染症や腸管に生理的に強い刺激が加わった時で、原因となるのは腸管出血性大腸菌O-157やロタウイルスなどです。
うんちも赤色や白色の下痢になります。下痢は成人においても体水分や電解質、既存の腸内細菌叢の欠落の原因となるために、回復後は早期に腸内細菌の再定着を目指す必要があります。
母乳や粉ミルクの摂取に加えて、オリゴ糖を利用したプロバイオティクス製品を一時的に併用するのも有効な手段です。また、1週間以上うんちが出ないときは病院を受診することをおすすめします。
赤ちゃんにとってお通じのない状態が3日以内であれば健康な証拠なので安心してください。5日から1週間くらい便秘が続くようであれば、便秘と判断して間違いはありません。
赤ちゃんが便秘であっても、ママが焦ってバタバタしてしまってはいけません。赤ちゃんは不思議なもので、ママが心配していたりあせっていたりすることを理解します。
ママが焦って気持ちが落ち着いていない時などに抱っこしても、ぐずりが直らないこともよくあります。まずはママが落ち着いて対処することが何より大切です。
食べ物だけで治らない場合は、オリゴ糖を摂取するなど、いろいろと試してみましょう。